読書感想文「奇跡のリンゴ」を読んで

夏休みも終わりに近づき(オバハンに夏休みもくそも無いけど)、
まわりはガキの宿題の代名詞「読書感想文」の話でもちきり??
なので、ちょいと子供に戻り読書感想文おば!

この本との出会いは、仕事の合間の時間つぶしだった。
待ち合わせまでの時間、猛暑に絶えられず入った本屋で、
表紙のおじさんの顔が面白いから手に取ったのがきっかけだった。

絶対不可能と言われる無農薬リンゴを成功させた方の話だ。
NHKのプロフェッショナルで取上げられ、あまりにも反響が大きかったので,
追加取材で書籍化となったものだ。

町工場立ち並ぶダウンタウンで生まれ育ち、山は遠くに青く薄く見えるものと思って育った私には、とうていリンゴ栽培の苦労は理解できない。
でも、この方の生き様は日本人の底力そのものであり、農業から工業まで日本の発展を支えてきた方々の姿なんだろうと思える話である。

「バカになれ!」知識や経験は人が成長するには不可欠の物であるが、本当に新しいことを行うにはこの知識や経験が壁になると言うのだ。だから「バカになれ!」と。
実際この方は周囲から見ると気がふれたかと思われるほど常識から逸脱し、家族を路頭に迷わす位まで私財をつぎ込み、寝食も惜しんでリンゴのことばかり考え続けた。
今の自分にそこまで打ち込める物があるだろうか?

10年ほど前まではよく綱引の夢を見た。
試合前になると必ず試合に遅刻したり、忘れ物をしたり、全く身体が動かず引けないと言った夢を見、うなされ目覚めた。
そして目覚めては強くなる方法を考え?世界一を夢見た。
今はその夢も見ない。
年齢を重ねれば知識や経験は自ずと増えてくる。
そして頭の中で計算する。
どうすれば一番効率良く楽に結果を出せるか・・・・・・と、
確かにこの数年効率優先で物事を考えている。
バカに戻るには年齢を重ねすぎたかもしれない。
でも、バカに戻るラストチャンスは今しかないか!
などと心の何処かをくすぐられる。そんな本との偶然な出会いであった。